「上田さん!外!外真っ白ですよ!!」
「お・・・おい!窓を閉めろ!」

上田の話も聞かず奈緒子は一面雪で覆われた外を眺めた

「すっごい・・綺麗ですね」
「そうだが・・・とりあえず閉めろ!」
「上田さん!!」
「な・・なんだ」
「外行きましょう!」
「・・・・・バカかYOUは」
「先行ってますよ!!」
「お・・おい!」

奈緒子はマフラーと手袋を取ると走って部屋を出た
出来ればこんな寒い日に外には出たくなかった上田だが
しぶしぶ付いていく事にした
外に出ればすでに雪を放り投げてはしゃいでいる姿

「・・ったくこんなに寒いのによく・・・」
「上田さんも来て下さいよ!」
「嫌だ」
「ダメです!」
「なんでだ!」
「雪合戦しましょ!」
「だから・・・」

『嫌だ』と言おうとした瞬間顔面に雪球がぶつかった

「あぁ〜あ。上田さん避けないからですよ」
「・・・・・・・・・・」
「う・・上田さ・・・うわっ!」

突然奈緒子めがけて雪が飛んできた

「・・・受けてたつ!」
「・・負けませんよ」

こうして二人だけの雪合戦が始まった
さすがに男だけあって玉のスピードが速い。
しかし奈緒子もすばしっこくギリギリだか何とか避けていた
こんな時。大きいのは損をする
隠れようと思ってもどうしても頭がでて玉をまともに食らう
上田は接近戦に出た

「う・・上田さんそれは近すぎですよ!!」
「関係ない」
「ひどっ!」

ジリジリと奈緒子に近づいてくる上田

「う・・うわぁ!!!!!」

後ろの石に引っかかり雪に倒れこんだ
近づいていた上田も道連れに・・・

「いったぁ・・・・」

奈緒子が上を見上げると目の前に上田の顔が

「おい。大丈夫か?」

恥かしくなって顔をそらした

「・・大丈夫です」
「ならいいが・・・」

立ち上がり上田は洋服の雪を払うと
『ほら』といって奈緒子に手を差し伸べた
反論することなく上田の手を掴んだ

「ありがとうございます」
「さて・・・だいぶ遊んだな」
「そうですね」
「部屋に戻るか」
「はい」

二人は部屋へと足を向けた

「上田さん」
「なんだ」
「ちょっと先に行っててください」
「あぁ。わかった」

上田を見送ると奈緒子は木へと歩み寄り
近くにあった木の棒を拾い何を書いた・・・・・・

「遅かったな」
「そうですか?」
「ほらコーヒー」
「あっありがとうございます」
「何してたんださっき」
「・・・何がですか」
「そこの木になにかしてただろう」
「あぁ・・・あとで教えますよ」

ズズッとコーヒーを飲み外を見た
未だに雪を降り続いている

「じゃぁそろそろ帰りますね」
「送っていくぞ」
「いいですよ。こんなに積もってるしそれにちょっとよる所あるんで」
「そうか」
「それじゃ」

奈緒子はドアノブで手をかけた

「・・・あっ!」
「なんだ」
「さっき私が木にしてたのですけど」
「あぁ」
「私が帰ってちょっとしてから見に行ってくださいね」
「分かった」
「では」

そういって奈緒子は帰っていった
上田は奈緒子が近くに居ない事を確かめ外へ出た
・・・人の忠告は完全に聞かなかった事にしているようだ

「っとここか・・・なんだ」

『うまんにそまこず えたいこしでれっ だらっこてもかと さいしでいら んねょつも』

「・・・おいなんだこれは・・・・・」


「はぁ〜。上田さん・・わかんないだろうなぁ。あんな固い頭じゃ」

奈緒子は部屋でお茶を飲みながら考えていた

「まぁ。分かられても困るしなぁ。分からなくても困るし・・・
 いいか」


・・・上田さん分かりますか?
私の精一杯の気持ちですよ
別に深い意味なんて全くありませんよ
本当ですからね
上田さんがその言葉信じてくれるなら
私もその言葉どおりにしますから
・・・まぁ解けてればの話ですけどね


「・・・ったくこんな遠まわしな」

上田は1時間かけてやっと解読した

「こんなこと口で言えば早いものを・・。いじっぱりな
 ・・・まぁその気なら考えてやらん事も無いがな」


解読方法。ただ単純なもの。
上田から提案した解読方法だった


『うえださん またらいねんいっしょにここで そしていつまでも これからもずっと』




「空水の蒼」にて5000HITを踏んだ際のキリリク小説。
持ち帰りOKとの嬉しい言葉を頂いたので、自慢させて頂くべく、掲載。
リクエストテーマはTRICKで「雪」。
ほのぼのほんわかしてて、奈緒子からのメッセージが胸キュンですね。
mikiさんありがとうございました。

ちなみにmikiさんのサイトはこちらから飛べます→  「空水の蒼」

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