『どうせまたいつもの事やな』



矢部は空を見上げながら思った




〜Blue Sky〜









平日の午後。珍しく仕事をしている矢部
お昼休みで天気もいいので近くの公園で昼食をとっていた
いつもいる部下：石原は珍しくいない
何気に女性警官に人気で無理やり連れて行かれた





「こぅ・・・一人で食事するのもたまにはええな」



ズズッと缶コーヒーをすする


最近は雨でろくに外にも出なかった
でも今日は昨日のどしゃ降りとは正反対に快晴




「・・・ツッコむ相手がおらんのも寂しいな・・・・」


自然と一人を嫌がっている自分がおかしく思い笑う




「・・・おっ」



矢部が見た目線の先・・・・長い髪の女性の姿
誰だかすぐに分かる




「山田！！」



ビクッとしながらおそるおそる矢部の方へ振り返る



「・・・・矢部さん・・・・」
「なにしとんのや。こんなところで」
「・・・別に何も」
「何も無いのにここに来るわけ無いやろ」
「そ・・そんなのわかんないじゃないですか」
「わざわざこんな遠い所にきたんや。訳があるやろ」
「・・・・・・・・・・・・」
「なんや？」
「・・・・・・・・・・」


一向に訳を話そうとしない
しかし大体の理由はなんとなく分かっていた


「・・・先生とケンカしたんやな」
「そ・・そんなこと！！！」
「ケンカしたんやな」
「・・・してません」
「何が原因なんや」
「・・・・・・・・・・・・」















「・・・本当の事だったんで・・でも言って欲しくなかったし」
「どっちもどっちっちゅうことやな」


コクンと頷く



「確かにそりゃ先生も悪いわ。せやけどな本当の事やで山田それはわかってんのか？」
「・・はい」
「上田先生も悪気があって言ったわけや無いからな・・・・どっちかとゆうと勢いやろどう見ても」
「・・・・そうだと思います。私も上田さんも周りが見えてなかったし」
「ややこしいことになったな。また」
「えぇ・・・・・」



二人はほぼ同時にため息を付いた



「そういえば矢部さん」
「なんや」
「石原さんどうしたんですか？」
「あ・・あぁ・・あいつは他のやつらと食べにいっとるんや」
「へぇ〜。だから珍しく一人だったんですね」
「なんや『珍しく』って」
「だっていつも一緒じゃないですか」
「・・・・そうやな」


ふと空を見上げる



確かにいつも一緒
こう一人でいると落ち着かんわけや





「・・・っでどうするんや」
「・・・戻るのも気まずくて・・」
「ん〜・・そやけど仲戻したいんやろ」
「はい」
「・・はぁ・・いつになくめんどうやな・・・」
「・・・・・すいません」
「なんで謝るんや」
「その・・・いや・・・・・・うん・・そうなんですよ」
「訳分からんで山田」
「・・・・・・・・・・」
「まぁええ・・・。あとはゆっくり話せや」
「えっ・・どうゆう・・・」


『ほれ』
といいながら指を指す
息を切らした上田の姿


「・・・・・上田さん」
「二人で話せよ」
「矢部さん！！」
「これから仕事なんや！いつまでも付き合ってられるか！」
「なっ・・・・・！！」


スタスタと矢部は歩いていき
上田の側に来た


「先生。あとはお願いしまっせ」
「わかりました」
「それでは」


公園から出ようとしたすると・・・


「矢部さん！！」
「んっ」
「・・・ありがとうございました！！」


少し顔を赤くしながらペコリとお辞儀をしたする
それに答えるかのように
『おぅ』
と矢部を手をあげ戻っていった







「なんや素直やとかわいいやないか」


そう空を見上げながら言った












「・・・・・・そのすいませんでした」
「いい。ＹＯＵが謝ることはない。俺も・・悪かったしな」
「私だってムキになったし・・。でも上田さん」
「なんだ？」
「あんな事もう言わないで下さいね。結構傷ついたんですから」
「・・・・・悪かった」
「・・じゃぁ・・寒いですし、戻りましょっか」
「あぁ」


そして上田と奈緒子も公園を後にした




「あっ！見てくださいよ上田さん！」
「なんかあるか？」
「すっごい夕日綺麗ですよ！」
「そうだな」







「・・・今日の空は一段ときれいやな・・・」
「なんか言ったかのう。アニィ」
「なんもいってへん！行くぞ石原！！」
「ま・・まってくれいアニィ！！」





今宵の空はきれい
それはいいことがあった時のご褒美